港サイクリングクラブ        港サイクリングクラブ since1949
2009年秋 信州北アルプス絶景紀行
特別企画:『アメニモ、カゼニモ、メカトラブルにもマケ ズ』


2008年早秋の高齢、いや恒例のツーリング は「北アルプスの絶景ツーリング」と銘打った、2泊3日のアドベンチャーである。



2008年9月13日(土) 黒姫 標高670m
東京発7:28 あさま505号に乗って港サイクリングクラブのメンバーが続々と長野県黒姫駅に集結し始めた。
皆、「輪行バッグ」という自転車の前後輪を外して中にしまい、電車で移動できる魔法の絨毯を抱えている。
黒姫駅に集合する港サイクリングクラブメンバー JR黒姫駅

わが「港サイクリングクラブ」も、日本で有数の歴史を持つクラブだけあり、来年でなんと創立60周年なのだ。
人間でいえば還暦であるが、このクラブで活躍する人は還暦なんざぁ、まだまだひよっこ。
フレッシュマンである。

JR黒姫駅で自転車を組立て、今回は16名の精鋭部隊がスターターメンバーだ。
とっくのとうに還暦を過ぎたフレッシュマンは今回の参加者中3名。

10:30黒姫駅出発
雨が降ってきた。
予期せぬ雨だ。
だれか強烈な雨男がいるのだが、責めるまい。責めるまい。
雨が降ってもとにかく、標高670メートル地点の黒姫から1500メートルまで、約千メートル弱を
ダート林道含めて自転車と自らの足で走破するのだ。

雨の黒姫

黒姫から北西へ
皆、決してきれいではないが、大切にしている美しい自転車に2泊分の荷物を積み、黒姫から北西に走り始める。
この瞬間が嬉しい。
まだ見ぬ3日分の道程に胸が躍る。

峠から見る景色はどうだろうか。
林道はどんなに刺激的だろうか。
木々の緑や滝の匂いにときめく心を、今回も忘れてはいないだろうか。
温泉はどんなだろうか。
酒は昨年のようにたくさん呑めるだろうか。

雨はポンチョで走る

11:30頃の早めの昼食
北西にのんびり走って、11:30頃
今回のツーリングリーダーが「これから一時間は飯食べるところがない。
ついては、ここで早めし食べるか、パン買って補給食として凌いで1時間後に飯食うか、
どちらか選択すべし!」
とう究極の選択宣言を出す。

蕎麦組は、妙高高原くま杉の里「そばの花」で蕎麦を食す。

そばの花

普通の蕎麦と十割蕎麦がある。その他、カレーやらあるので、みんな好きなものを食べる。
信州そば

中途半端な時間の昼食でなんとなく腹が変に張っちゃったが、気を取り直して妙高高原公園線を西に進む。
信州の大杉、くま杉
「くま杉の里」というくらいで、隣に大杉が立っていた。見事な幹にしばし見とれているMCC会長。
会長はサイクリング歴60年くらいか。
MCCの創立と共にずーっとMCCを支えている、ミスターMCCだ。
本業のサイクルショップで制作する「ウエハラモデル」は全国的に有名だ。クラブ員も愛用している。

笹ヶ峰へのアタック開始
笹ヶ峰を目指しアタック 笹ヶ峰への登坂
笹ヶ峰を目指し 杉野沢林道を各自のペースでアタック。
霧がすごい。雨も瞬間的にパラパラッとくる。ポンチョやレインウエアを着たり脱いだり忙しい。
晴れてもポンチョを着っぱなしのものぐさなアニキもいるし、どうせポンチョを着ても汗で内部が
濡れるくらいなら最初からTシャツで勝負する武闘派のアニキもいる。
笹ヶ峰到着そして、笹ヶ峰1100m地点に到達。

さらに妙高高原を登るちょっと下ると先行組が笹ヶ峰で待っていた。
乙見山峠いやー、お疲れさん。

13:00 快晴の笹ヶ峰牧場
このちょっと先にお目当ての蕎麦屋があるのだが、その前に大休止大休止。
天気も良くなってきて、青空がのぞき、陽光が射してきた。
人間てものは不思議なもので青空を見るだけで、ギア1枚重いのが踏めるのだ。
笹ヶ峰 乙見隧道
笹ヶ峰牧場では陽だまりで牛が牧草を食んでいる。のどかだ。
風が涼しいし、景色がひらけてきて、新鮮な空気が胸いっぱいに入り、上等な酸素が体を駆け巡る。
これが体に良くないわけがない。

サイクリングクラブに常時参加している人にはなんと、血管系の病気にかかっている人はほぼいない。(ホント)
高血圧だって治っちゃう。血中脂肪だってみるみる下がる。動脈はのんきに「硬化」なんかしている暇も
ないのだ。
※MCCの例をあげていますので人によって個人差はあります。。。
乙見隧道

13:30 二度目の昼食
二度目の昼食(中途半端だ・・・・)は、「山小屋明星荘」だ。
すっかり雨も上がり、ポンチョも乾いた。うれしい。

ここでも蕎麦や丼ものを食べてカロリーを補給する。
みんなよく食うなぁ。
明星荘 
中途半端というか、過剰というか猛烈に腹がいっぱいになったMCCはさらに登る。

14:30 妙高小谷林道への挑戦
満腹MCCが目指しているのはさらにその上の信濃から越後に抜ける峠、標高1500m「乙見山峠」だ。
(信じられない・・・)
この「乙見山峠」に続くのは、新潟県妙高市(旧 妙高高原町)と長野県北安曇郡小谷村を豪雪地帯でもある西頚城山地の
乙見山峠を越えて結ぶ
「妙高小谷林道」。厳しい13Kmのダートの上りである。(信じられない。。。。)

みんな食べすぎでおなかがポッコリしていて、前傾姿勢がとりにくそうだが、一生懸命こぐ。
※このレポートを読んでしまうと、サイクリストやMCCは特殊な人なのかと思う方もいると思うが、
 誰でもできる体験なのである。 くりかえす。「だれでもできる」のだ。


妙高小谷林道
ダートは気持ちがいい。
大地のデコボコからタイヤとフレームを伝わって体に届く振動。
石にはね上げられる車輪の挙動を絶妙なコントロールでクリアする快感。
障害物をよけながらライン取りして走る頭脳使っている感。刺激!

アクシデント(その1)
そんなことを楽しみながら走っている。と、調子に乗った一人が頭を抱えている。
どうやら雨のダートという最悪の環境下でパンクしたらしい。
技量不足なのだ。(筆者のこと)
これからドロドロになりながら修理出来てるんだか出来てないんだかよくわからない、
大変イライラするパンク修理作業を開始するのだ。
パンク1 パンク2

こういうトラブルが出たときのMCCはいつも色めき立つ。

やけに嬉しそうに、ちょっかいを出してくる。でもちゃんと手伝わない。

作業手順や手際に対してあれこれケチをつけて楽しむのだ。なかには、プロの自転車屋さんが
いて、正しいタイヤの装着方法などを教えてくれる時もある。

タイヤのパンクは日常茶飯事。修理はなれない人がゆっくりやっても約30分で終わるので
なんてことはない。
ただ、パンクした技量の低さや整備不良が恥ずかしい。
石に乗り上げて「リム打ち」というパンクはとくに恥かしい。

気を取り直して再び「妙高小谷林道」を登る。
妙高小谷林道 妙高小谷林道

アクシデント(その2)
おっとぉ、またトラブルだ。今度は私ではない。うわぁ派手なトラブルだ。(クスッ)
リアディレラーがエンドごと脱落!
しかし、MCCでは派手なアクシデントが発生しても、そこで走行不能になる確率は極めて低い。

リアディレラー落下
エンドを止めているネジが振動で無くなっている。この窮地をどうやって抜けるか。
わがMCCの精鋭メンバーが5名ほど寄ってたかって、アポロ13号のクルーのように
知恵を出し、手を出し、足を出し、舌を出しこの難関をクリアしてしまう。
5人寄れば普通の自転車屋の知恵で、ふたたびこのロードレーサーは走り出した。

ついに、標高1500mまで上り詰めた。
乙見隧道 乙見隧道
乙見隧道は明かりが一切無く、不気味なトンネルだ。
大粒の霧が隧道内に充満している。山の精が体にまとわりついてくるようだ。
乙見隧道を抜け、みんなで記念撮影。
雨は降っていないが、体はじっとりと濡れている。レンズの前にかかっているのは
雨ではなく、霧なのだ。粒の大きな霧なのだ。

残念ながら景色はよくなかったが、全天候型サイクリングで土砂道の標高1500mを走破した。
あとは下るだけ。楽しい林道のダウンヒルが始まる。

しかし、妙高小谷林道はこういうときに牙を我々に向けるのだ。
ダートは土砂。舗装は粘土を含む水流で大変危険だ。なにげに今回最大の難所だ。

アクシデント(その3)
この林道の後半には尾丸滝、鬢剃滝があり、水場が集中する。当然雨そぼ降るなかの林道は粘土質の泥を含んだ水が流れて
つるつるすべすべの状態だ。
これがダートならわがMCC面々に百戦錬磨のテクニックでしのぐのだが、アスファルトはなかなか難しい、歩いていても滑って転ぶ
コンディションなのだ。

アスファルト前方20メートルに赤茶色の帯が見える。
事前に十分ブレーキをかけ時速10Km以内にスピードを落とし、重心を地面に垂直にしてブレーキの制動を
リリースして惰性でクリアしていく。
後方で1名落車。オーバースピードだ。幸い大きなけがはない。
さらに後方から来たもう一人のメンバーがゆっくり止まりながら、前輪を滑らせて、落車。

二名の予期せぬ落車に、わがMCCの精鋭メンバーが5名ほど寄ってたかって、アポロ13号のクルーのように
知恵を出し、手を出し、足を出し、舌を出しこの難関をクリアしてしまう。
まがった自転車のハンドルは直され、チェーンはかけられ、車輪のセンターを調整され、点検が瞬時に終了。
別の部隊は落車したメンバーの体を素早く調べる。
5人寄れば普通の自転車屋の知恵。
今回は大事をとり、誰かが旅館まで走り、軽トラを持ってきた。
素晴らしいチームプレイだ。
妙高小谷林道

17:30 小谷温泉に到着
山田旅館に到着だ。
弘治元年(1555年)、武田信玄の家臣によって発見され、以来450余年の間、日本屈指の温泉として知られてきた。
明治時代にドイツで開かれた温泉博覧会で、日本を代表する四大温泉(別府・登別・草津・小谷)の一つとして内務省特選選出された老舗だ。
江戸期に建築された本館、別館など七棟が国の登録有形文化財に指定されている由緒だ正しい温泉なのだ。

山田旅館

みんな上等な温泉に浸かって、飲泉もして元気回復。
いつもどおり、夜は宴会。
壊れた人も転んだ人も、元気に乾杯。
地元の料理に舌鼓を打ち、源泉で一日の疲れを癒す。
これが最高なのだ。
山田旅館

夜はまだまだ続く。
自転車の話、仕事の話、人生の話、オゲレツな話。
いろいろな話を忌憚なくできるのもMCCの特徴だ。
「仕事の話はご法度」などと無粋なこともない、しゃべりたいやつがしゃべって聞きたいやつが聞く。
マナーと気遣いだけあればどーんと参加できるのがMCCなのです。

二日目を見てみる。