港サイクリングクラブ          

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特別企画初夏の2泊3日ツーリング
 「奥の細道、暴風雨紀行」(三日目)





「山形領に立石寺と云山寺あり。
慈覚大師の開基にして、殊清閑の地也。
一見すべきよし、人々のすゝむるに依て、尾花沢よりとつて返し、其間七里ばかり也。
日いまだ暮ず。
麓の坊に宿かり置て、山上の堂にのぼる。岩に巌を重て山とし、松栢年旧、土石老て苔滑に、岩上の院々扉を閉て、物の音きこえず。
岸をめぐり、岩を這て、仏閣を拝し、佳景寂寞として心すみ行のみおぼゆ。」 

〜閑さや岩にしみ入蝉の声〜   奥の細道より


最終日は雨もあがり、走りやすい天気だ。今回の旅はいろいろな天気が堪能できた。これは「天気に恵まれた」という言葉がぴったり当てはまってしまう。


2007年7月16日(曇り/晴れ)

「大石田温泉(あったまりランド深堀)虹の館」の朝食。
鮭と納豆、その他もろもろ、各自ご飯2杯〜3杯お代わり!
なんで?君たち、二日酔いとかしないの?
そういう私も、日常の飲み会では翌日飯も食えないほどの二日酔いになるが、
いつもより飲んで騒いだ前日。しかし不思議なのだが、翌朝起きると体がナチュラルなのです。

既に60歳を超え、サンデー毎日となっているメンバーが多いため、ご飯食べながら朝のNHK連続ドラマ小説「どんど晴れ」を見て、
盛り上がっている姿が皆可愛い。
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8:30出発。宿の前で記念撮影。
お世話になりました。

出発。大石田町から最上川を南下する。
雨はすっかりあがって、薄い日差しが差し、空気も澄んで気持ちいい。
胸いっぱいに台風後の美味しい空気を吸い込み、新鮮な酸素が体の隅々にいきわたるのを実感する。

改めて不思議なのが、昨日の宴会はああだった、こうだったという話は一切出てこない。
それぞれが、今走っている道や景色を一期一会で楽しんでいるのだ。

最上川は昨日の台風で濁り、流れが早い。
「台風を、集めて濁流、最上川」
誰かがくだらない一句を読み上げた。

ポンチョを着て雨の中を走るランも楽しいが、やはり、降らないことにこしたことはない。
最終日の好天気は、しみじみとまた楽しい。
涼しい最上川の風を受けて、ゆっくりとプロトンとなって走るのである。

高野一栄邸跡だ。ここは、芭蕉が「さみだれをあつめて涼し、最上川」とよんだ場所で有名だ。
ちょっとまてよ?「さみだれをあつめて早し・・・」ではないの?
集めて早し。。と修正したのは、芭蕉がこの場所で「涼し」と詠んだ後、外川神社の仙人堂で、
「ん?まてよ?(早し)の方が売れるな。。。」
と考え直したということだ。

一栄邸跡で小休止していると、鍬をもったおじさんがシャッター押すぞ。と申し出てくれた。
オールキャストで記念撮影。
ありがとうございました。

最上川沿いをしばらく南下する。
大石田は、最上川舟運の中枢として明治時代まで隆盛をきわめていたらしい。
その面影は、今もこの塀蔵(だと思う)や町並みの中にある蔵造りの店舗などに色濃く残されている。

最上川にさよならし、村山市を目指す。
昨日に比べると足が格段に軽い。
ケイデンスもあがるし、ギアもあがる。必然的にスピードもあがる。
サイコー!

これなんだろう。「禅雲寺」?綺麗な道だった。
ちょっと調べようよ。皆待ってよ。行くなよ。

いっちゃった。

村山市に入り、ちょっとした丘を上る。
ここにも芭蕉の跡が。吟魂とかかれた石碑があった。
難しい字で難しいことが長々書いてある。
だれかが、いい加減に読み上げ、いい加減な説明をしている。
聞いてるほうもホウホウ、とか言いながら全然聞いていない。

ここから、東根市だ。
雄大な盆地が開ける。
左右には田んぼとフルーツ畑が多く、いろいろな薫りがして楽しい。
この道は「フルーツの道」というらしい。

東根市の大欅(ケヤキ)を見物した。樹齢1500年(推定)、幹周り16m、日本最大のケヤキだそうだ。
大きい。信じられないくらい、大きい。人が豆粒に見える。

大欅の裏手には竜興寺沼公園がある。池を囲んだ小路に柳がいい雰囲気である。

将棋の町、天童に到着。
駅に資料館があった。でも皆おなかがすいていたため、そそくさと駅を後にし、昼食場所を求めてさまよう。

ありました。文久元年(1860年)創業らしい、水車そば。
10割蕎麦が名物です。「はじめるるつる、あとはかめかめ」と書いてある。
たしかに、歯ごたえがあって、皆もぐもぐ噛んでいる。蕎麦の香りがいい。
ここは、10割蕎麦をいまでも水車で動く石臼で挽いているらしい。
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さぁ、のこりあと10Kmちょっと。
道路標識にゴール地点の山寺が見えてきた。
お空も雲が切れてきてターコイズブルーの空が見えてきた。
優秀の美ってやつだ。

台風一過で秋の空のように清々しい。じわじわと暑くなってきた。

さらにスピードはあがり、全工程120kmの旅も終わりを告げようとしている。
初日のしとしと雨、二日目の暴風雨、三日目の快適な天気。
全てを堪能して、愛車は軽やかに音も無く走る、走る。
 

山寺駅に到着。
どうやら、新潟でまた大きな地震があったらしい。
新幹線のダイヤも乱れているということだ。

とりあえず、時刻表を確認して自転車をバラし、お手入れをして輪行袋に詰める。
時間が二時間弱あるため、「一見すべきよし、」と芭蕉が勧める立石寺へ徒歩で向かう。

「麓の坊に宿かり置て、山上の堂にのぼる。岩に巌を重て山とし、松栢年旧、土石老て苔滑に、岩上の院々扉を閉て、物の音きこえず。
岸をめぐり、岩を這て、仏閣を拝し、佳景寂寞として心すみ行のみおぼゆ。」 
芭蕉の紹介はうまい。いまでいう、旅のガイドブックが奥の細道なのだろう。
1015段もの石段が続き、途中、芭蕉の句が刻まれる「せみ塚」を見て、山々や街並みを一望する「五大堂」を見物した。
しかし、最後の駄目押しで1015段の階段を登るか?普通。恐るべきタフネス。

 

山寺駅に戻り、仙台から新幹線に乗った。
やはり、新幹線のダイヤは乱れていたが、指定席が取れたのでビールやお酒を飲みながら東京を目指す。

今回の旅は、天候も影響し、近年にない思いで深いツーリングとなった。
何歳になっても、自転車に乗る少年少女の心は変わらないのだなぁ、としみじみ思う。
旅は楽しい。特に自転車で巡る旅は、その自由度、気ままさ、スピード、全て独特のものがあり、
見知らぬ土地々々の匂いをダイレクトに感じられる、すばらしい旅の手段だ。

サイクリングは何歳になっても、いつからでも、体力の有る無しもあまり関係なく始めることができる。
数千円のママチャリでも問題は無い。(できれば数万円のスポーツ車が適当)
お金もあまりかからないし、健康にも良い。
ルールとマナさえ守って、自己責任で夢のような体験ができる。

是非、皆さんにもお勧めしたい。  入会案内はこちら

最後に、新潟で地震の被害にあった方々には心よりお見舞い申し上げます。


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